3.11市民ネット深谷のブログ

脱原発をメインにメンバーが気の向くまま書きます。

HSFで遠出の巻き

深谷に続き、熊谷公園放射線マップ作成プロジェクトの計測が終わったこともあり、たまたま野暮用で宇都宮に行く機会に、高速道路と日光を測定しました。

私たちが使用しているHSF(ホットスポットファインダー)は、高性能なGPS連動放射線測定器で、スペクトル表示機能等あり、福島第一原発由来の放射線かどうかなどもわかります。筆者はまだまだ勉強不足のため、微妙な見極めはできませんが、この測定器の威力は抜群で、国などの機関が役割を果たさない以上、私たち一般市民が、私たちの生活地域での汚染度を知り、子どもたちや自らを守るためのツールとして威力を発揮します。

1.高速道路編
車での測定の場合、放射線が遮蔽されるため、計測する車の補正係数を押さえる必要があります。私の車は、自宅周辺を徒歩と車で走った差と車の中と外での15秒間の定点測定をして、1.4という係数にしました。メンバーのKさんの車の係数は1.3だそうです。検出器の位置は地上から1mに固定しました。また、高速で走るため内蔵GPSがきちんと機能するのか、放射線検出に支障がないのか等興味がありました。
(1)羽生SAから鹿沼IC(東北自動車道下り)
    ①車内実測値の移動平均  0.041μSv/h
     ②移動平均の補正値    0.061μSv/h
(2)日光ICから北関東自動車道の途中まで

   (日光宇都宮道路→東北自車道上り→北関東自動車道
    ①車内実測値の移動平均  0.046μSv/h
     ②移動平均の補正値    0.064μSv/h
結果からすると、まず、GPSはきちんと機能し、トンネルの通過も問題ありませんでした。肝心の放射線量ですが、補正後の値をみると、埼玉北部地域とそれほど変わりませんでした。
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2.日光編
ついでの計測だったので、計画を練って行ったわけではないのですが、結構おもしろい値がでました。ルートは、二荒山神社駐車場→東照宮、奥宮→東照宮東照宮二荒山神社二荒山神社→駐車場です。

測定日は5月17日(日)で、小学生の修学旅行団体や外人環境客など沢山の人たちで賑わっていました。ちょっと信じられないのが、家康の墓所である奥宮への階段が大渋滞だったことです。上りでの計測はあきらめて下りのみとなりました。
肝心の測定結果の報告の前に、久しぶりに訪れた東照宮の感想です。

神仏習合が今でも色濃く残る宗教建造物群ですが、ここの絢爛豪華さを目の当たりにすると、神社とは言いがたい感じがします。戦国時代を勝ち抜き、江戸に幕府を開いた徳川家康を神として祀り、徳川の安寧と江戸の鎮護を目的に、天界僧正が計画し3代将軍家光が造り上げた荘厳な極楽浄土の世界であったのではないでしょうか。ともあれ、日光という山の中に造られた建造物群は壮観で、どれほどの巨費と労働力が注ぎ込まれたのか想像もできないほどです。
世界遺産に登録されたことから外人観光客が目立ちます。昔、仕事の関係で海外からのお客さんに関東近辺の観光地をどこか組み込むと、日光というリクエストが多かったのを思い出しました。また、相変わらず小学校の修学旅行は多いようで、この日も鎌倉から訪れたという子どもたちが、グループ単位で元気よく動き回っていました。

測定結果ですが、日光東照宮は全般的に深谷や熊谷より低い値を示しました。一番高かったのは奥宮でしたが、それほどではありませんでした。ただ、0.07µSv/hくらいでもセシウムのピークは確認できますので、当然汚染されていると思います。国際的な観光地ということもあり徹底した除染が行われたのではないでしょうか。対照的だったのが、二荒山神社です。隣同士なのですが比較的高い値が計測されました。0.1µSv以上になると警告音が鳴るようHSF設定してあることによるのですが、あちこちで警告音がなりました。0.13µSv/h位のところでスペクトルを確認すると、東照宮ほど明確なピークはありません。参道の敷石に影響されている部分もあるかと思いました。しかし、石とは関係ない社の裏側などでも高い値が観測されましたので、おそらく東照宮ほどの除染はされていないのではと思った次第です。(今仁)