3.11市民ネット深谷のブログ

脱原発をメインにメンバーが気の向くまま書きます。

児玉先生の放射能講座

2月23日に深谷ベースにて、放射能の講座を開きました。
講師はときがわ町児玉医院の院長、児玉順一医師です。
内科医院を開業する傍ら、放射能について独自の研究をされています。

きっかけは、深谷のママさんグループで森の測定室・滑川に見学に行った際、児玉医師の書かれた論文「A LETTER FROM JAPAN」を見せていただいたことです。

子どもを持つ私たちは、少しずつ被ばくしながら生活している現状の中で、子どもの体に起きるかもしれない異変を見逃すまいと必死です。パッと見では分からないような、体の中で起きている異変を知るためには、然るべき医療機関で検査をしておきたいという考えを持っていました。

ところが、かかりつけ医に行って放射能の相談をしても、「さあ・・・深谷あたりでは心配いらないんじゃない」という、なんとも頼りがいのない返事ばかりです。放射能の勉強をしているママたちは、住んでいるのがどこであれ、食べ物などで放射性物質が流通していることを知っています。

お医者さんに放射能ヒステリーみたいな目で見られるのも、少しの病気で放射能との関係に怯えるのも懲り懲り!どこかに放射能に真摯に向き合ってくれるお医者さんはいないかなあ。。。と考えている矢先の出会いだったのです。

講座の開催まで、児玉先生とは電話で何度も打ち合わせをしました。そのたびに児玉先生は、子育て真っ最中の私たちの気持ちに寄り添ってくださり、ほんの初歩的な質問にも優しく答えてくださいました。そして、低線量被ばくの危険に悩む私たちへ向けて、いつも「がんばろう!」と励ましの言葉をかけてくださいました。がんばれよ、ではなく共にがんばろうというその言葉に、心がすっと軽くなったのを覚えています。

講座の直前の大雪で一時は開催も危ぶまれたのですが、悪路の中をお越しくださり、無事に講座を終えることができました。

優しい児玉先生
時には笑いも起こる聞きやすい講座でした

講座では、高線量被ばくでは壊れない細胞膜が、低線量の長時間照射では簡単に壊れてしまう「ペトカウ効果」を基に、原発事故でなくても放射能が環境中にまき散らされた地域の同緯度上で特定の疾患が発生していることを学びました。

このペトカウ効果と、直接放射線に曝されるのでなく、フリーラジカルが発生することによって細胞が破壊されることが世の中に認知されていたら、国の放射能対策も少しは違っていたかもしれません。

いまだに世間では、被爆と被曝が混同していたり、天然由来の放射線と比較するなどの無知ゆえ、「低線量・慢性的・内部被ばく」という現状が軽視されています。こうして講座を開くことによって、新しい知識との出会い、ひいては新しい対策との出会いを重ねていくことによって、子どもの被ばくリスクを減らしていけることを願っています。
(ママ崎ママ)