3.11市民ネット深谷のブログ

脱原発をメインにメンバーが気の向くまま書きます。

ベースロード電源というまやかし

政府はエネルギー基本計画案を発表して、再稼働を進める姿勢を鮮明にしています。都知事選の勝利を弾みに一気呵成に行きたいところでしょう。しかし待ってください。約半年、すべての原発が止まっていますが、需要が供給を上回る事態は起きていませんし、多くの国民は、再稼働に反対しています。おそらく原子力ムラがもくろむ再稼働へのロードマップに従って、進めていることと思いますが、とんでもないことです。

政府の基本計画案には、国民の目を欺くかのように聞き慣れない言葉が登場しました。「ベースロード電源」です。このことが、かえってこのまやかしを暴き出します。言葉の解説は、新聞各紙が取り上げていますので省きますが、ようは、日々使う電気の基本的な電源の一つに、原発を位置づけたということです。半年も稼働してないのにです。ベースロードにならないでしょう。

さらに、まやかしは仕込まれています。安全が確認された原発は再稼働を進めるというものです。誰が安全を確認するのでしょうか。政府は原子力規制委員会が、と言っています。しかし、原子力規制委員会の田中委員長は、原発再稼働の判断はしないと言っています。ここに両者の権限と責任のなすり合いの構造が見えます。責任の所在がわからなくなる構造です。

たとえば、○○原発の再稼働を考えてみましょう。政府は、原子力規制委員会の安全審査により、その基準に適合したとの報告を受け、再稼働を決定したと発表するでしょう。再稼働を決定した要件として、あくまで原子力規制委員会の審査結果を強調するでしょう。それでは、原子力規制委員会はどうでしょう。審査は適合と結論出したが、再稼働はあくまで政府の判断であり、関与できないと言うことになるでしょう。責任を曖昧にした再稼働へのロードマップです。

ところで、私たちはこんなまやかしに付き合う道理はありません。そもそも原子力発電所という言葉からその危険性を曖昧にしています。核発電所と言ったらどうでしょう。一般の人は直ちに危険性を意識するでしょう。これも英語を使ったまやかしです。

英語で核兵器は nuclear weapon です。
それでは原子力発電所は nuclear power plant です。
素直に訳せば、発電所です。
これを「原子力」と危険性を隠す言い方に訳したのです。実に巧みです。
ちなみに「原子力」は素直に訳せば、atomic energy でしょう。

話は思いっきり横道に逸れますが、こんなブログを書き始めて、バックグランドで流れていたテレビを、何気なくNHKBSにすると、映画「追憶」を放送していました。シドニー・ポラック監督、主演ロバート・レッドフォード(ハベル)、バーバラ・ストレイサンド(ケイティ)の名作です。最後のシーンは、何度見ても泣けますね。ニューヨークのセントラルパークの角に立ったケイティは、プラザホテルから出てきたハベルに目をやります。ハベルと目が合います。彼には奥さんが同行してますが、ケイティは気にもせず、彼の元に駆け寄ります。再会です。お互いが再婚して別の道を歩んでいることを確認して、彼女は戻ります。すると、今度はハベルがケイティのところに来て、彼女からビラを受け取ります。彼女は、主義、信条を曲げず社会運動を続けています。原爆禁止の署名運動活動です。ハベルは言います「you never give up」、そしてあの切ないメロディが流れます。

この最後のシーン。このときケイティが取り組んでいたのは、原水爆禁止活動だったんだと、改めて思った次第です。

安全なんて決して担保できない原発に対して「安全が確認されたら」とか、
放射性廃棄物の処分方法がないまま再稼働をもくろんだり、
収束なんてできないのに「収束宣言」したり、
汚染水がダダ漏れなのにブエノスアイレスで、「コントロールされている」と嘘ついたり、未だに誰も責任を取ってなかったり、

3.11市民ネット深谷は、脱原発、子どもの命を守る活動を続けます。
NEVER GIVE UP!(仁)