3.11市民ネット深谷のブログ

脱原発をメインにメンバーが気の向くまま書きます。

雪害と想定外

2週続きの大雪には参りました。特に2月14日(金)から15日(土)にかけての雪は、関東甲信地域に甚大な被害をもたらしています。公表されている積雪量は、甲府114㎝、軽井沢99㎝、秩父98㎝、前橋73㎝、熊谷62㎝となっています。先々週は60年ぶりの大雪となった埼玉県北部地域ですが、先週の雪は、記録を簡単に塗り替えてしまいました。この地に住む私としては、想像の外にある積雪量でした。

想定外なのです。(どこかで聞いた言葉)

天気予報では、雪は降るが2/8ほどではないというものでした。気象に関していうと、ひまわりなどの気象衛星に、スーパーコンピューターの解析など、桁違いのお金やその道の専門家を配した体制をとっています。地震の観測より困難なレベルは低いと思われます。にも関わらず、外してしまいました。首相官邸の危機管理能力のなさとともに、これが私たちに突きつけられた現実です。

そう、あのときのように。

政治が機能しないのと同様に、マスメディアも限界をあらわにしました。現在進行形の大雪害への感度が鈍く、テレビ画面に帯は出ていても、本当に知りたい情報はあまりなかったように思います。普段だと、大規模な自然災害の発生について、甚大な被害とまで行かなくても、繰り返し放送するNHKが、その機動力をほとんど発揮しませんでした。羽生選手や葛西選手の話題ばかりです。おそらく民放も似たり寄ったりだった思われます。

安倍内閣は、なんとかミクスだけでなく危機管理が売りでは?(え、口先だけ?)
ネットで話題ですが、このとき安倍総理は、私邸にいたとか。そして、赤坂の高級天ぷら屋で支援者と会食していたそうです。人間ですから食事もします。天ぷら屋に行くのが悪いわけではありません。しかし、一国の宰相としては、危機管理対応に、その欠陥をさらけ出したと言わざるを得ないでしょう。口先だけ総理に、天ぷら総理の勲章がつきました。

彼の危機管理は、本当のところ「人の命」には向いてないのです。

「汚染水は完全にコントロールされている」と、国際社会に対して大嘘をつきましたが、親切なマスメディアは、彼のことなどいっこうに咎めず、五輪招致で馬鹿騒ぎをしています。スピーディは機能していたにもかかわらず、真にその情報が必要な人たちには伝わらず、無用な被曝をした人がたくさんいます。

今回の雪害で2つのことが浮かび上がります。

一つは、自然災害に想定外という言葉は通用しないということです。浜岡原発では、防潮堤の完成を待って安全審査を申請したとか。おそらく東日本大震災程度の津波を想定して造ったのでしょう。写真で見る限りあまりに薄っぺらで頼りなさそうです。地震の巣の上にある原発です。あのときを上回る地震が発生して、あのときを上回る津波が直撃したらどうなるのでしょうか。また、フクイチは現段階でも予断を許さない状況です。あの場所に、今後どのような天変地異が降りかかるかわかりません。

言いたいのは、想像を超える、そう、「想定外」の事態は起こらないのではなく、起こるということです。今回の雪害が証明しています。

これでは、常識に考えて原発の再稼働などできないでしょう。安全性なんて誰も保証できないのですから。それでも再稼働したい人たちは、換言すれば「命」より「金」を選択した人たちです。自分の命でなく、自分以外の命も、なのです。

二つ目は、為政者たちの危機管理は、ほとんど当てにできないということです。今回、大雪害が進行中であるにもかかわらず、首相官邸も、行政機関もほとんど初動は機能していません。初動対応は危機管理のイロハのイです。このような現実を突き付けられると、自分のことは自分で守る以外ないのです。そのためには、知識や備えが必要です。彼らに期待などできないのです。自分の身に降りかからなければ、所詮他人事です。

私たちは、自分を守ること、未来を託す子どもたちを守ることに責任があります。

大江健三郎さんは、3.11後を生きる私たちにとって、脱原発はエッセンシャルモラルだと言います。

そう、私たち一人ひとりが、そのことに気づき、行動しなければ、今を生き、そして未来を生きる子どもたちへの責任は果たせないのです。(今仁;悪魔を憐れむ歌を聴きながら)