3.11市民ネット深谷のブログ

脱原発をメインにメンバーが気の向くまま書きます。

トリチウムについて調べてみた

東京電力福島第1原発から高濃度の放射性物質を含む汚染水が海へ流出している問題で、東電は2日、平成23年5月から流出し続けたと仮定した場合、海へ流れ出た汚染水に含まれるトリチウム濃度が推計で最大約40兆ベクレルに上るとの試算を発表した。

 保安規定上のトリチウムの年間放出基準値は22兆ベクレル原発で発生するトリチウムは、濾過などで取り除けないため、電力会社は原発ごとに基準値を定め、管理しながら海に放出している。原子炉の数や稼働率により幅はあるが、各地の原発でも年間数百億~100兆ベクレルが放出されている。東電は「保安規定の年間放出基準値と同程度だが、安全確認できていない状態での流出なので好ましくない」との見解を示した。

 

トリチウムとは》

トリチウム(水素-3、3H)半減期 12.3年非常に低いエネルギーのベータ線‥‥内部被曝する。トリチウムの除去する技術はない。

 

トリチウムの現状》

現在の雨の濃度現在の降雨中の濃度は1~3Bq/Lであるが、核兵器爆発の前は0.2~1Bq/Lであった。1954年3月1日にビキニ環礁でアメリカが実施した水爆実験では、2.0京ベクレル (2.0×1016Bq)以上が大気中に放出された。1960年代半ばの降雨中の濃度は100Bq/Lになっていた。

 

原発から出るとリチウム》

の量電気出力100万kWの軽水炉で、加圧水型軽水炉内=約200兆Bq/年、沸騰水型軽水炉=約20兆Bq/年。原発からの放出基準は22兆Bq/年

 

《生体に対する影響》

 体内でも、主に水として代謝され、気体の水は100%が体内に取り込まれる。体内に取り込まれたものは約2ヶ月の間に排出される。体内に入っている水素は全身に分布し、特定の器官には濃縮されない。

 体内取り込みによる内部被曝最近の雨水中のトリチウム濃度を2Bq/Lとして、この水を1年間摂取すると、実効線量は約0.00004ミリシーベルト/年間

 

★東電の説明

1) 宇宙や、海や、大気、水にも含まれている

2) 微量なβ線なので外部被曝のような影響はない

3) 水なので、体内に留まらず排出される

4) 1Bq飲み込んだ場合、カリウム40との係数比較が0.003

5) 保安規定に示された放出基準値(事故前)22兆Bq/年つまり、それほど危険ではないので、心配はいらない

 

★ネットにある危険性

1) 胎児期に母体を介して取り込んだトリチウムは4週間後(ヒトで言えば多分15歳くらい)には90%以上が体外に排出されてしまう。一方、体内に残留するトリチウムを、自由水、たんぱく質、脂質、DNAなどの成分ごとに計ってみたところ、たんぱく質やDNAなど有機成分に含まれるトリチウムの割合が、時問とともに増えることがわかった。

2) 生物学的に長く生体内に残るトリチウムによる被ばく線量は、短い期間で体外に排出される自由水型トリチウムによる被ばく線量に較べて無視できなくなる。

3) DNAに結合したトリチウムは、細胞核の外に存在するトリチウムに較べてより多くの傷害をDNAに与えることになる。

4) アメリカでは原発から流れ出た微量の放射性トリチウムが地下水を汚染し、周辺地域で小児ガンが急増した(「追跡!真相ファイル」12月28日放映)

5) トリチウムの摂取による被曝線量は2倍になる

6) 膨大なトリチウムが出ていた英国のセラフィールド再処理工場周辺で多発している小児白血病。

7) カナダ/ピッカリング重水原子炉周辺ではトリチウムを年間2,500兆bq(ベクレル)放出していますが、周辺の都市では80%増ものダウン症候群の赤ん坊の出産がはやっています。また中枢神経系統に異状のある赤ん坊の出産も明らかにされています。(カナダ原子力委員会報告)

 

《”もんじゅ”から出るとリチウム》

 核融合炉の実現核融合発電には、トリチウム重水素の反応を用いねばならない。電気出力100万kWの核融合炉を1年間運転するには、130㎏(4,700京Bq/年)のトリチウムが必要になる。

 

《”六ヶ所村”から出るとリチウム》

 六ヶ所村の再処理工場では、年間800tの使用済核燃料を処理する予定で、排水中に1.8京ベクレルBq/年、排気中に1,900兆Bq/年が放出される。

 

 

《わかった事》

原発があれば、どこでもトリチウムは垂れ流している。これは、福島第1原発事故だけの問題ではない。それで東電も政府もあまり問題にしていないわけで、原発をやめ、再処理をあきらめない限り、解決はしない。 

 

文責 小泉