3.11市民ネット深谷のブログ

脱原発をメインにメンバーが気の向くまま書きます。

「カモメ」長渕 剛さん

今回は、長渕剛さんです。人間誰しも好き嫌いがありますが、私はどちらかというと嫌いなタイプです。北海道の松山千春さんと鹿児島の長渕剛さんはどうも好きになれません。お2人に共通しているのはメジャーで成功しても東京に出てくることなく地方で活動を続けていることでしょうか。私が好きになれない部分はというと、松山さんはなんといってもその不遜な態度です。それでは長渕さんはというと、ストイック的で自分の体をとことん鍛えそれを誇示しているところ(何が悪いんだといわれそうですが)と、単純に日の丸や自衛隊が大好きなことです。彼のHPから震災後、航空自衛隊松島基地に激励に行き、体育館に集めた隊員に熱くエールを送り、熱く歌い、その結果、防衛省で大臣に表彰されるまでを見たのですがついて行けません。天の邪鬼な私とすれば、それでは、警察官やフクイチの過酷な状況下で作業を続けている作業員は、といいたくなります。

しかし私たち3.11市民ネット深谷は、脱原発、放射能から子どもたちを守るというシングルイシューで集う仲間たちですし、その趣旨でメンバーも募っています。彼の男気は、自衛官にも向きますが、避難を余儀なくされた浪江の子どもたちにも向きます。そして現地に入り浪江の現実を目の当たりにして歌を作りました。「カモメ」という題名で、最新のアルバムにも収められているようです。脱原発に対してはっきりした態度を取らない松山さんに対して彼は旗幟鮮明です。コンサートで7万人も桜島に集めるほどの影響力があります。脱原発にとっては、彼のような存在は貴重と思います。長渕さんを好きな方々が「ナガブチの脱原発熱いぜ、俺たちも脱原発で行こうぜ」となればいいのですが。

鹿児島に浪江の子どもたち20名を招待した彼は、「原発という、僕ら大人達が残した負の遺産をしょっていくのは、まぎれもなくこの子ども達なのだ。目先の電気とこの子ども達の未来、どっちが大切?僕はそう考えながら歌っていた。子ども達を抱きしめれば抱きしめるほど、そう思った。そして、原発を今すぐに止めたいと…そう思った。」といっています。まったくその通りです。脱原発は、今までの市民運動レベルでは絶対に実現できないと思います。あらゆる角度から重層的にしかも相当な広がりを持つ必要があります。

「カモメ」
作詞、作曲 長渕剛

浪江の街の請戸の港
カモメの群れが飛んでる
秋のコスモスが咲いて
子供たちがはしゃいでる
請戸の海から魚たちも
川を上ってしぶきをあげてる

浪江の街の立野の丘に
牛たちの群れが生きてる
立ち並ぶ朝の牛舎から
生き物の匂いがあふれてる
男たちは藁を運び
毎日牛たちの背中をさすってる

だけど全てが消えてしまった
全てが無くなってしまった
子供の声も消えちまった
漁師の声も消えちまった
農夫の声も消えちまった
牛たちの姿も何もかもが
やせ細った野良牛たちの
瞳をどうやって見つめればいいの

僕が歩いてきた道は 正しかったのか!
したたり落ちてく命の
最後の最後の一滴を
コメカミに突きつけてみた
今一度問いかけてみた
僕たちが歩いてきた道は 本当に正しかったのか!


浪江の街の駅前の
ひしゃげたまんまの商店街
パン屋も床屋も雑貨屋も
命の音が聞こえない
全滅していた暮らしの中
壊れた信号機だけが点滅していた
僕はただ立ちつくし空を見上げて泣いた

男は牛たちの乳を泣きながら搾っている
来る日も来る日も毎日
泣きながら乳を搾ってる
捨てては搾って搾っては捨てて泣いてる
男は牛舎でつぶやいた
原発さえなければ…」


秋のコスモス畑で
も一度君たちと会いたい
秋のコスモス畑で
も一度君たちと唄いたい
秋のコスモス畑で
君の背中を追いかけたい
請戸の海から昇る朝陽に
も一度抱かれて泳ぎたい

生きたいと叫びながら
消えてった農夫たち
生きたいと叫びながら
消えてった漁師たち
生きたいと叫びながら
消えてったあの時の夕焼け
やせ細った野良牛たちの
瞳をどうやって僕は見つめればいいの

浪江の街の請戸の港
カモメの群れが飛んでる
4本の煙突の向こう
何も知らずに飛んでる

低く垂れこめた真冬の空
ハラハラと白い雪が降ってた

止めてくれ
原発
止めてくれ
今すぐ

母親から子供を引き裂き
子供から母親を裂く
乳房をくわえる赤子の
瞳をどうやって僕は見つめればいいの

帰りたいなあ
wow wow wow wow
帰りたいなあ
wow wow wow wow
生まれた場所へ
wow wow wow wow
帰りたいなあ
wow wow wow wow
命の音を抱きしめて
浪江のカモメが空を飛んでゆく

カモメよ
飛んでくれ
カモメよ 空高く
高く 高く 高く 高く 高く
飛んでくれ
母親から子供を引き裂き
子供から母親を裂く
乳房をくわえる赤子の
瞳をどうやって僕は見つめればいいの
(文責 今仁@3.11市民ネット深谷)